【歯と老化は関係あるの?】

 

 

 

 


 

 

人の体調は年齢と共に移り変わりがありますが、お口の中も年齢を重ねるごとに少しずつ変化していくところがあります。

ご自身のお口の中の環境、そして歯並びが年々変化していることに気がついてご相談いただくことも少なくありません。

「今まではこんなことなかったのに!」

「昔は歯で苦労したことなかった。」など、さまざまな変化に対応しながら治療をされているミドル世代のお声をいただきます。

今回は、お口の中の変化にはどのようなものがあるのか、詳しく解説をしていきます。

 

【唾液量の減少】

年齢が上がることで、唾液の量が減少する方も少なくありません。

生まれてから、年齢を重ねていくにつれてお口の中だけではなく、全身の水分量が少なくなっていきます。お口の中の乾燥は、症状が出て不便さや大きな違和感を感じたときに症状として自覚をすることがあります。

症状として出やすいのは、以下の症状です。

 

  • 喉がやたらと乾く
  • 水分量の少ない食べ物が飲み込みにくい
  • 就寝中にカラカラになって起きる
  • 飴が手放せなくなった

このような症状が出ます。原因についてご説明します。

  • 喉がやたらと乾く

お口の渇きが、喉の渇きに錯覚する場合が多くあります。お腹は水分でいっぱいなのに喉が乾く気がする、という場合にはお口の中の乾燥を疑った方がいいでしょう。

 

  • 水分量の少ない食べ物が飲み込みにくい

唾液が少なくなると、水分の少ない乾き物を食べるのが苦手になってきます。

 

  • 就寝中にカラカラになって起きる

就寝中は特に唾液が減るので、口が乾燥しすぎて起きてしまうという症状もあります。

唾液量の減少と口呼吸やいびきをかいている可能性があります。

 

  • 飴が手放せなくなった

唾液量が少ないと、お口の中の乾燥で話しにくくなることがあります。

飴を入れることで刺激が起こり唾液が出る場合には、唾液腺のマッサージをするなどのアプローチで再び唾液量が復活する場合も多いです。

 

 

【加齢による歯並びの変化】

人は誰しも年齢を重ねます。その変化がお口の中に顕著に出始めるのが50歳代以降でだと言われています。※個人差はあります

 

そこでお口の症状として出やすいのが以下の3つです。

  • お口元が前に出てくる
  • 歯歯に隙間が開くようになる
  • 前歯の歯並びがガタガタする

以上3つの原因についてご説明いたします。

 

  • 口元が前に出てくる…

口元が前に出る、出っ歯の症状です。

これらの原因で考えられることはいくつかあります。

〜口元周りの筋肉が低下する〜

お口元や、お顔には筋肉があります。特にお口元周辺の筋肉が低下をすると、歯並びにも影響が出ます。

「気がつけばいつも広角が下がっている」

「ニコッと口角を上げて笑うことが少なくなった」

「お口に入れた食べ物をよくこぼすようになった」

「うがいするとお口から水が漏れる」

「気がつけばいつも広角が下がり、への字の口になっている」

 

など、お口元の筋肉が低下すると起こる症状なので要注意です。

このお口元の周囲の筋肉はいつになっても鍛えることが可能ですので、安心してください。

 

〜舌で前歯を押し出す癖〜

気がついたら、舌で前歯を押し出す癖がついていた。このような場合もございます。

日常的に少しずつ、同じところに同じ方向から歯に力が加わっていると、矯正治療と同じ原理で歯が少しずつ長い年月をかけて移動します。そうすると、歯が前方に押し出されてしまうのです。

舌の正しいポジションは、上顎の前歯の裏側の根本に近い位置に舌先が着いている状態です。ここに力を入れず、舌を収められるように訓練しましょう。

 

〜親知らずの放置〜

親知らずはそこまで気にならないからと長年放置していると、少しずつ歯全体を前に押し出して歯を押してきていた。ということがよくあります。前歯が少しずつ影響を受けて歯並びが悪くなってきます。親知らずが生えるスペースを確保しようとするために、手前の歯は少しずつ場所を追いやられて、全体的に手前に移動してきてしまいます。

 

  • 前歯の歯並びがガタガタする

前歯の歯並びがガタガタするのにも、原因があります。

 

〜親知らずの放置〜

親知らずを放置すると、手前に歯がどんどんと押されてしまい、前歯が少しずつ重なるなどで前歯の歯並びがガタガタすることがあります。

 

〜歯周病の放置〜

歯周病になっているのに、治療をせずにいると歯は揺れ、少しずつ動いていきます。

そうすることで、前歯の歯並びがガタガタしてしまうのです。

 

〜食いしばり、歯ぎしりの放置〜

食いしばりや歯ぎしりは、無意識でおこなっていることがほとんどです。

就寝時などに100キロ以上の力で食いしばり、歯軋りなどが長期間続いていると。少しずつ歯並びにも影響が出てきてしまいます。

 

  • 歯に隙間が開くようになる

〜虫歯の放置〜

虫歯を治療せず、そのまま放置してしまうと歯が崩れ、隣の歯が斜めに傾斜してしまうなどして、歯と歯の間に隙間が開くようになります。

 

【お口の乾燥と歯並びの変化、食い止める方法は?】

『定期検診の徹底と、必要であれば矯正治療もご検討ください』

加齢には抗えない、と諦めたくなってしまう気持ちもよく分かります。ですが、お口の老化に関しては、定期検診を受けて必要な治療は行い、ご自身でも出来る唾液腺のマッサージやお口元の筋肉のトレーニングを一緒に行うこと、矯正治療を行うことで歯並びを整えられます。

老化だからと諦めず、ぜひ一度ご相談にお越しください。